最終更新:ID:UCSBG5qK8A 2016年11月19日(土) 14:40:40履歴
昼食も終わり、午後からは何をしようか……
ちなみにお昼はピザだった、美味しい美味しい。
さて、誰かの手伝いでも……と歩いていると、飼育小屋から出てくるフェリスさんの姿があった。
フェリス『……んしょ…んしょ…』
どうやら古くなった藁を外に運び出しているようだ。
手も空いていることだし手伝う事にしよう。
フェリス『…んしょっと。あら…ラッド様、こんにちは。』
こんにちは、自分も手伝いましょう。
フェリス『そうですか?ならお願いしてもよろしいでしょうか?中の藁を外の新しい物と交換したいのです。』
お安いご用だ。
フェリスさんも力持ちとは言え、これ全てやるには一苦労だろう。
実体分身と瞬身を使いながら片付けていく、作業自体は数分とも掛からずに終了した。
荷車の古い藁は後に運び出すという。
フェリス『ラッド様、ありがとうございますね?また今度甘えてもらって大丈夫です、よ?』
クスクス笑いながらお礼を言われる。
いたずらっ子みたいなその笑顔に毒気を抜かれただ苦笑するしかなかった。
決してこの間の甘えたことに照れていた訳ではない。
???『あ、フェリスさんにラッドさん、こんにちはー!』
???『こんにちは』
後方から声が聞こえて振り返る、対面していたフェリスさんが一足早く気づき挨拶を返していた。
フェリス『レア様、ティラー様、こんにちは、ですね』
最近、よく見るコンビのレアさんとティラーさんであった。
小人であるレアさんが、ティラーさんの肩の上に乗っている形である、レアティラーと呼べばいいのだろうか。
思考が逸れた。こちらも挨拶を返し、フェリスさんに礼をして去ろうとしたとき、レアさんが突如頭上に乗ってきた。
レア『我は汝!汝は我!突然合体!レアラッド!』
ティラー『何をやっているのだか…』
こちらが聞きたい。
だがまぁ、合体と聞いたならば乗るのが自分である、シャキーンと擬音を言いながら合体をする。
ペンギンの上に小人が乗っている姿というのもなんだかシュールだなと思いつつ。
フェリス『んー…その姿で戦えるんです、かね?』
ティラー『格好の的になりそうだな、ラッドが』
マジレスはやめてほしい。
ロマンなのである…
レア『合体は無限の力を持っているんですよ!』
もはや意味がわからない。
そんなレアさんも体を大きくするための方法を探しているとのこと。
自分も協力せねば。
フェリス『ん、お昼も過ぎましたがパンはいかがですか?一旦戻ってになりますが』
レア『あ、いいんじゃないですか?ティラーさんも大丈夫ならご一緒しません?』
ティラー『あぁ、必要な仕事は午前中に片づけた、ご馳走になろう。』
レア『わーい!お茶も用意しなきゃ!』
空を見上げる、先程のホルっさん達もそうだが、確かに今日は風も程よく、天気も快晴であり、絶好のピクニック日和と言えるだろう。
フェリス『ラッド様もいかがでしょう?』
声をかけてくれてどうしようかと思ったが、三人の交流に入るのもなんだかなというのと、男が一人入るには少し勇気が必要だったので辞退しておいた。
レア『そうですかー。ではまた今度の機会でも』
ティラー『あぁ、そちらは休日か?あまり羽目を外しすぎないようにな』
フェリス『また、ですよー。』
レアさんがティラーさんの肩の上に戻るのを確認しつつ、三人から離れる。
ティラーさんに半目で見られながら解せぬと思うが、考えてみると普段の行いが行いなので何も言えなかった。
飼育小屋を離れてブラブラしていると、森の近くに行き着いた。
久し振りに森に採集に行ってみようか…
???「おや、ラッドさんではないですか、こんなところでどうしたのです?」
頭上から声が掛かったと思うと、声の主は木の枝に座っていたらしく、飛び降りて改めて挨拶をした。
クロマツ「こんにちは、今日は良い天気ですね。太陽の光が気持ち良いです。」
こんにちは、自分は休日だがやることもないのでぶらついてました。
クロマツさんは軽く微笑みながらそれでは…と水筒を見せて
クロマツ「どうです?ココアでも一杯」
クロマツさんの飲んでるココアはいつも美味しい、是非ご相伴に預かるとしよう、うきうきしながら自分の水筒のカップを取り出す
クロマツ「どうぞ…私も今日は特にすることも無かったので日向ぼっこしていました。」
コポコポ…とココアを注いで貰い、礼を言って口をつける。
うん、やはり美味しい、優しい甘さが歩いて動いた疲労をゆっくりと取り除いてくれる。
クロマツ「おきに召してくれたのなら何より…ラッドさんもお疲れでしょうし…ね」
自分が疲れている?
昨日も必要な睡眠は取ったが…
クロマツ「いえ、ラッドさんだけではなく、皆さん…ですね。この間の尖兵戦、皆さんにとってそれぞれの意味で記憶に残る戦いであったでしょうから」
…………確かにその通りだ。
辛い記憶、良かった記憶…思い出したくもない閉じていた蓋を抉じ開けられた気分であった。
勿論、自身に整理がついており、今更だって言う人も居たであろう。
クロマツ「私自身は特にありませんでしたが、一部の方には大きな傷跡を残していったかもしれませんね。」
ココアを啜りながらクロマツさんは言う、彼は強い…というより樹人として観察という方が近いのかもしれない。勿論仲間としても心配しているのだろうが。
クロマツ「ふふ…確かにそれも無くはないですね。ですが私はこうも思うのです、人間は強い、自己の問題に潰れそうになったとしても支え合い、乗り越えて行くのだろうと…
そうでなければもっと早く人間という存在は滅びていたのではないかとね…」
読まれていた…
そして、自信持ってそう言うクロマツさんに、そこまで他者を信頼できる彼に畏敬の念を感じざるを得なかった。
彼が自分の数倍は生きているのだとしてもだ。
クロマツ「おっと、ココアも切れたようですし、私はこれで失礼するとしましょう。それと、今の森に入るのはやめておいた方がいいでしょう。繁殖期の魔物が彷徨いていたので。」
忠告ありがとう、改めるとしますと伝えると、彼はニコリと微笑み、拠点の方に歩いていった。
人間は強い…そうひとりごちる。
俺は今自分に抱いているこの歪みを取り除けるのか、そのつもりがあるのか…今を生きる中でずっと過去にしがみついてる俺は間違っているのだろうかと自分に問いただす。
だがそれでも…それでも俺は今この生活が、ここで出会った仲間達と過ごした日々は間違ってないと信じていたい。
さて、次はどこに行こうかな。
to be continued……
ちなみにお昼はピザだった、美味しい美味しい。
さて、誰かの手伝いでも……と歩いていると、飼育小屋から出てくるフェリスさんの姿があった。
フェリス『……んしょ…んしょ…』
どうやら古くなった藁を外に運び出しているようだ。
手も空いていることだし手伝う事にしよう。
フェリス『…んしょっと。あら…ラッド様、こんにちは。』
こんにちは、自分も手伝いましょう。
フェリス『そうですか?ならお願いしてもよろしいでしょうか?中の藁を外の新しい物と交換したいのです。』
お安いご用だ。
フェリスさんも力持ちとは言え、これ全てやるには一苦労だろう。
実体分身と瞬身を使いながら片付けていく、作業自体は数分とも掛からずに終了した。
荷車の古い藁は後に運び出すという。
フェリス『ラッド様、ありがとうございますね?また今度甘えてもらって大丈夫です、よ?』
クスクス笑いながらお礼を言われる。
いたずらっ子みたいなその笑顔に毒気を抜かれただ苦笑するしかなかった。
決してこの間の甘えたことに照れていた訳ではない。
???『あ、フェリスさんにラッドさん、こんにちはー!』
???『こんにちは』
後方から声が聞こえて振り返る、対面していたフェリスさんが一足早く気づき挨拶を返していた。
フェリス『レア様、ティラー様、こんにちは、ですね』
最近、よく見るコンビのレアさんとティラーさんであった。
小人であるレアさんが、ティラーさんの肩の上に乗っている形である、レアティラーと呼べばいいのだろうか。
思考が逸れた。こちらも挨拶を返し、フェリスさんに礼をして去ろうとしたとき、レアさんが突如頭上に乗ってきた。
レア『我は汝!汝は我!突然合体!レアラッド!』
ティラー『何をやっているのだか…』
こちらが聞きたい。
だがまぁ、合体と聞いたならば乗るのが自分である、シャキーンと擬音を言いながら合体をする。
ペンギンの上に小人が乗っている姿というのもなんだかシュールだなと思いつつ。
フェリス『んー…その姿で戦えるんです、かね?』
ティラー『格好の的になりそうだな、ラッドが』
マジレスはやめてほしい。
ロマンなのである…
レア『合体は無限の力を持っているんですよ!』
もはや意味がわからない。
そんなレアさんも体を大きくするための方法を探しているとのこと。
自分も協力せねば。
フェリス『ん、お昼も過ぎましたがパンはいかがですか?一旦戻ってになりますが』
レア『あ、いいんじゃないですか?ティラーさんも大丈夫ならご一緒しません?』
ティラー『あぁ、必要な仕事は午前中に片づけた、ご馳走になろう。』
レア『わーい!お茶も用意しなきゃ!』
空を見上げる、先程のホルっさん達もそうだが、確かに今日は風も程よく、天気も快晴であり、絶好のピクニック日和と言えるだろう。
フェリス『ラッド様もいかがでしょう?』
声をかけてくれてどうしようかと思ったが、三人の交流に入るのもなんだかなというのと、男が一人入るには少し勇気が必要だったので辞退しておいた。
レア『そうですかー。ではまた今度の機会でも』
ティラー『あぁ、そちらは休日か?あまり羽目を外しすぎないようにな』
フェリス『また、ですよー。』
レアさんがティラーさんの肩の上に戻るのを確認しつつ、三人から離れる。
ティラーさんに半目で見られながら解せぬと思うが、考えてみると普段の行いが行いなので何も言えなかった。
飼育小屋を離れてブラブラしていると、森の近くに行き着いた。
久し振りに森に採集に行ってみようか…
???「おや、ラッドさんではないですか、こんなところでどうしたのです?」
頭上から声が掛かったと思うと、声の主は木の枝に座っていたらしく、飛び降りて改めて挨拶をした。
クロマツ「こんにちは、今日は良い天気ですね。太陽の光が気持ち良いです。」
こんにちは、自分は休日だがやることもないのでぶらついてました。
クロマツさんは軽く微笑みながらそれでは…と水筒を見せて
クロマツ「どうです?ココアでも一杯」
クロマツさんの飲んでるココアはいつも美味しい、是非ご相伴に預かるとしよう、うきうきしながら自分の水筒のカップを取り出す
クロマツ「どうぞ…私も今日は特にすることも無かったので日向ぼっこしていました。」
コポコポ…とココアを注いで貰い、礼を言って口をつける。
うん、やはり美味しい、優しい甘さが歩いて動いた疲労をゆっくりと取り除いてくれる。
クロマツ「おきに召してくれたのなら何より…ラッドさんもお疲れでしょうし…ね」
自分が疲れている?
昨日も必要な睡眠は取ったが…
クロマツ「いえ、ラッドさんだけではなく、皆さん…ですね。この間の尖兵戦、皆さんにとってそれぞれの意味で記憶に残る戦いであったでしょうから」
…………確かにその通りだ。
辛い記憶、良かった記憶…思い出したくもない閉じていた蓋を抉じ開けられた気分であった。
勿論、自身に整理がついており、今更だって言う人も居たであろう。
クロマツ「私自身は特にありませんでしたが、一部の方には大きな傷跡を残していったかもしれませんね。」
ココアを啜りながらクロマツさんは言う、彼は強い…というより樹人として観察という方が近いのかもしれない。勿論仲間としても心配しているのだろうが。
クロマツ「ふふ…確かにそれも無くはないですね。ですが私はこうも思うのです、人間は強い、自己の問題に潰れそうになったとしても支え合い、乗り越えて行くのだろうと…
そうでなければもっと早く人間という存在は滅びていたのではないかとね…」
読まれていた…
そして、自信持ってそう言うクロマツさんに、そこまで他者を信頼できる彼に畏敬の念を感じざるを得なかった。
彼が自分の数倍は生きているのだとしてもだ。
クロマツ「おっと、ココアも切れたようですし、私はこれで失礼するとしましょう。それと、今の森に入るのはやめておいた方がいいでしょう。繁殖期の魔物が彷徨いていたので。」
忠告ありがとう、改めるとしますと伝えると、彼はニコリと微笑み、拠点の方に歩いていった。
人間は強い…そうひとりごちる。
俺は今自分に抱いているこの歪みを取り除けるのか、そのつもりがあるのか…今を生きる中でずっと過去にしがみついてる俺は間違っているのだろうかと自分に問いただす。
だがそれでも…それでも俺は今この生活が、ここで出会った仲間達と過ごした日々は間違ってないと信じていたい。
さて、次はどこに行こうかな。
to be continued……
このページへのコメント
外典執筆お疲れ様です。
登場させて頂けるとは嬉しい物ですね。
ええ、人類はだからこそ強く、強かな物です。
お疲れ様です。妖精さん出演ですよ! やったー!
妖精さんの口調がほぼ完璧なのでびっくりしました「ん…」や「です、ね」みたいな特徴をしっかり捉えていて自分で書いたのだと錯覚しそうになりました、よ!?
お疲れ様です。小人を使っていただきありがとうございます!
また超合体しましょう
外典お疲れ様でした。そして使っていただき感謝です!
うん、確かにうちの子ならマジレスと疑惑の目を向けそうだww