【R-18】シュテルとシュルクは遭難した島で貴方たちと生活するようです【安価・あんこ】

とある部屋の一室。普通の部屋より少し高級感がある部屋で
一人の男が机に脚を、顔に鍔広の黒帽子を乗せ眠りについている男がいた
穏やかな寝息からとても気持ちよさそうに寝ているのが分かる。

「団長！いるか！？」

そんな彼がいる部屋の扉が力強く開かれ、一人の少女が入ってくる。
見た目は若く、動きやすい格好をした少女だ。
彼女は眉にしわを寄せ、不機嫌なのを隠そうとせず荒い歩調で
今もまだ眠る男の傍へ近づいていき

「起きろ団長！話がある！これは一体どういうことだ！？」

足蹴にしている机に何かを叩きつける。それは一つのチケットだ
表面にはアヒルの絵と箱舟という文字が書かれている

「…やれやれ、帰ってきて早々騒がしいぜアングリーガール。」
「見ての通り、箱舟計画の乗船券だよ。それにお前が乗る事になっている。」

少し気だるげながらもきざったらしい言動で団長と呼ばれた男が声を発する。
そして帽子を少し上げ、チケットを確認したのちに彼女に聞かれたことへの返答を行った。

「騒がしくもなる！これに乗るということは皆を見捨てるということだろう！？」
「いやだ！私は最後まで皆とともに…！」
「…これは、お前を除いた全メンバーの総意だ。」
「…！？」

激高し団長に喰ってかかる少女。しかし彼が発した言葉に驚愕し言葉を失ってしまう。
私が乗ることが総意で決まったこと？そんな、どうして、わからない。
一度怒りで血が上っていた頭では考えをまとめることができず思考が鈍り始める

「…いいか。お前が選ばれたのには理由がある。一つ、お前がこの団の中で一番若いということ」
「二つ、赤ん坊のころからメンバー全員から面倒を見てもらい、その過程で知識や技術を身に着けていること」
「そして先に行った二つを合わせた結果、お前に俺たちの分の未来を託せると言う結論になったというわけさ。」

静かになった少女に団長が言葉を投げかける。まだ若い彼女に団全員の期待と想いを背負わせることに対して
心が痛まないわけではない。しかし…

「…わりぃな。仲間思いのお前からすればつらいことかもしれねぇ。けど、そんなお前だからこそ」
「この先の未来に生きてほしいとおれたちは願っているんだ。」

席を立ち、身なりと帽子を整えてから少女と相対する。俯いているため髪でその表情は見えない。
しかし、手を強く握り肩を震わせていることから大体の予想はつく。

「おいおい、叫んだり涙をこらえたりと、普段クールビューティーなおまえはどこいった？」
「うるさい…！…そう言われたら拒否もしづらいじゃないか…」

からかうような言動に反論するも声が震えているためか、はたまた諦めの思考に入っているからか
口調は強く感じられなかった。
そして、お互い口を開くことなく数分が立ったところで、少女が団長の胸に頭を寄りかからせて来る。

「…少しの間こうさせてくれ団長。……もう会えないかもしれないんだからこのぐらいいいだろう？」
「……やれやれ、ほんと、今日は珍しいことが起きるもんだ。お前がそう言って来るとは…」
「OK、甘えん坊ガール。満足するまでこうしてるといいさ」

抱き着いて来た少女の頭を撫でる男。その目は娘を見る父親のように穏やかなものであった…

これは、箱舟に少女が乗り込む数週間前に起きた一幕。




お・ま・け

「…なぁ、もうそろそろいいか？長時間この体勢はきついんだが…って寝てやがる…」
「任務終わってそのまま来たみたいだから仕方ないのか？…それに、まだ子供だしな…」
「…しかし、このままだと変な噂を立てられかけねぇな。バレないように部屋に運ぶとするｋ…」

ガチャッ

「こんこんこーんっと！他の団や裏の関係者との連絡終わりましたよだーんちょー！」
「いやぁばれないようにするのほんと大変でしたよ全くぅ！これは上級油揚げをもらわないといけないですねー！」

「…って、あっ」

「…げ、こんな時に…」

「………団長が寝てるティラーちゃんを抱きしめてるぅぅぅぅぅ！！！」ﾀﾞｯ
「「「「なにぃ！？」」」」

「駄フォックスてめぇぇぇ！！」

その後、話は一気に広まり団長は他のメンバーからボコされたとかなんとか
なおその間少女は終始目を覚ますことがなかったという