朝焼けをみて、少女が黄昏ている。
思い出すのは幼少の頃、修行の日々。





「ひぃぃぃいい!し…死ぬぅ!死んじゃうぅ!」
「なあに、手を抜かねば死ぬことはなかろう…ほれ、次の一投だ!」
「うわああああああああああああん!」
何万本と同時に投げられ、凄まじい速度で飛ぶ槍を避ける修行。

「あひ、あひ、あひいいいいいいいいいい!」
「重心をぶらすな!」
酸性の高い水の張ったため池を細い糸でわたる修行。

「あ゛、あ゛、あ゛、あ゛…」
「なにノンキしてやがる!敵は待っちゃくれねぇぞ!」
自分の数倍の重さの鎧を常日頃つけ、さらに数倍の量の鍛錬をする修行。

「えひ、えひ、えひ…」
「どうしたの?これで終わりじゃないわ、さあ、次は十時間よ」
ある呼吸法以外では息をすえない状態にさせられ、簀巻きにされて水に沈められる修行。

etc…etc…。





「……平和だなぁ」
春(ハル)が、ふとつぶやいた。

このページへのコメント

作成お疲れ様でした!
ここもそんな風に言ってられなくなりそうですがね……

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Posted by ゾディー 2016年09月12日(月) 01:02:24 返信

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