・・・どうしてこうなったのだろう。
「・・・ァ」
創造神達との戦いが始まり、ダイスのあるなしで強さの決まる世界というのは自分たち傭兵団にとってはきついものだった。
鍛えた技術が通用しない。どんないい装備をしていても意味がない---戦えるのは団長と自分を含むダイスをもったわずかなメンバーだけだった。
「う・・・あ」
正直言おう、皆焦っていた。このままではいずれ戦えなくなり全滅するだろうと。
だからこそ、あの依頼を受けた。とある国の反抗作戦に参加し、その報酬として多数の量産型ダイスをもらう。
・・・今思えばそんな都合のいい話あるわけなかった。いや、依頼した王族は本気だったのかもしれない。
「ああああ・・・」
結局、作戦は失敗し、味方は混乱に陥いり、傭兵団は敵勢に包囲された。
それでも、国軍が救助してくれればまだ逆転の目はあったかもしれない。---だが、奴等は逃げた。所詮雇われ者だと切り捨てられたのだ。
必死の抵抗のさなか俺は負傷し気絶した。---目が醒めた頃には全てが終わっていた。
「アアアアアアアアアアアア・・・」
周りにあるのは神兵や魔獣達、そして見知った顔の死体
彼女ができたと喜んでいた同僚は魔獣に頭を食われて死んだ。
日ごろからよく飯を作ってくれていた笑顔が明るい後輩は炎に焼かれてしんだ。
幼い頃から面倒見てくれた古参の幹部は全身を刃に貫かれていた。
厳しくも優しかった団長は敵の指揮官らしきものと相打ちになって死んでいた。
そしてーーー
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
姉のように慕いーーーー好きだった女性が自分に覆いかぶさる形で死んでいた。
「・・・」
血の匂いと泣き叫ぶ声をききつけたのだろうか、生き残っていた魔獣たちが集まってきた。
−−−アア、自分もここで死ぬのだろうか。
「それも、悪くねえか。」
迫り来る牙を見ながら死を覚悟し---気絶する前の記憶を思い出していた。彼女は最後に俺になにをーーー
『生きて。---ナタ、あなたは生きて。』
瞬間、俺は刀を抜いて魔獣を両断していた。
「・・・まだ、死ねない。」
ああ、そうだ。俺は護られた。そして、託されたんだ。
「死んでたまるか!!ここで死んだらあいつが・・・!!皆が戦い抜いた意味がなくなっちまうだろうが!!」
そう、死ねない…俺は・・・
「俺は生きってやる。だからまあ、安心してあっちで見てろよ・・・■■■」



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このページへのコメント

それが生きる力になるならば、
本望、と言って良いのでしょうか。

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Posted by クロマツ 2016年09月18日(日) 16:32:46 返信

生きる。生きなきゃってな。
簡単なようで難しい。

作成お疲れ様でした。

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Posted by 安藤竜 2016年09月18日(日) 16:08:16 返信

作成お疲れ様でした!
これは……必死に生き延びなくてはいけませんからね、ええ

0
Posted by ゾディー 2016年09月18日(日) 15:40:20 返信

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