「よいこのむかしばなし―にんぎょ―」


むかしむかし、■い■■たちが、■■を■■そうとするずっとむかし。

人魚たちは広い海の中、それぞれ気ままに、自由に暮らしていました。

柔らかい波間に揺られ、美味しいエビや小魚を食べ、お互いにおかしな話で笑いあったり。

それはそれは幸せに暮らしていました。


ある日のことでした。

■人の■い■■たちが、地上に大雨を降らせたのです。

長い長い雨が続き、海の水もどんどん増えて。

ついには陸の上を覆ってしまいました。

でも、水の中を自由に泳げる人魚たちには、そんなこと関係なかったので、

むしろ遊びに行けるところが増えたと、みんな大はしゃぎ。

それはそれは楽しくはしゃいでいました。


―――ところが。

やがて雨が止み、水が引いてしまうと、海に戻った人魚たちはびっくりしました。


面白がって陸地へ上がってしまい、窪みに溜まった水場から戻れなくなってしまった人魚。

陸で暮らす■■により■に落ちて、そのまま海を捨てた人魚。

そして道の上で干からびかけて、■い■■たちに拾われた人魚。


海は前より広くなったけれど、人魚たちの数は最初に比べてずっと少なくなっていたのです。

寂しく思った人魚たちは、それぞれ仲間を迎えに行こうとしました。


窪みの水場へ向かおうとした人魚たちは、海岸から陸地を見てまたびっくり。

湿った大地は白くて平たい石で覆われ、背の高い木が生えていたところにはもっと高い石でできた木が。

そしてたくさんの■■が、平たい石の上を歩き回っていたのです。

あまりに変わり果てていたので、人魚たちには水場の場所がわかりません。

仕方なく人魚たちは、仲間の無事を祈りつつ海へと戻って行きました。


■■と■に落ちた仲間の元へ向かった人魚たちは、■■と■■■を■■して歩き出しました。

ところが、■■の■■■になれていない人魚たちは、あっちですってん、こっちでころり。

それでも仲間に会うために、頑張って前に進もうとすればするほど、すってん、ころり。

やがてそれを見た■■がたくさんやって来て、人魚たちを仲間のところへ■■て行ってくれました。

今では人魚たちも、とっても幸せ。だれ一人、海に帰ろうだなんて思わなくなりました。


残った人魚たちは■い■■たちの元へ行き、仲間を返してほしいと頼み込みました。

■い■■たちは快く人魚たちの仲間を連れて来て、よろこんだ人魚たちはいっしょに帰ろうと手を引きます。

しかし■■たちとの生活を諦めきれない人魚たちは、迎えに来た仲間の手を振り払おうとして大ゲンカ。

互いに叫び合い、叩き合い、とうとうみにくい怪物になってしまったのです。

見かねた■い■■たちは■を落とし、後には何も残りませんでした。


こうして残ったのは、前よりずっと少なくなった、海の人魚たちと。

窪みの水場に取り残された、陸の人魚たち。

仲間が減ってしばらくは、すごくすごく寂しかったみたいですが、

■■たちと関わらなくなってからはまた、幸せに暮らせるようになりました。

めでたしめでたし。 (終)






検閲完了、媒体トシテ問題ナシ。次ノ文献ヘ移行シマス。

このページへのコメント

作成お疲れ様でした!
所々に隠されたものが恐怖を際立てますね……

0
Posted by ゾディー 2016年09月19日(月) 16:23:34 返信

・・・・・・・・・めでたしめでたし、ねぇ。

作成お疲れ様でした。
うん、童話調だと、なんか逆に怖さを感じます。

0
Posted by 安藤竜 2016年09月19日(月) 16:04:48 返信

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